70平米マンションに適した間取りは?狭く見せないインテリアのコツ


70平米マンションは新築・中古ともに3LDKが豊富で人気があります。しかし、マンションの購入を検討するにあたって「70平米は狭くない?」「家族が増えても部屋数は足りる?」などで悩んでいませんか。

この記事では70平米のマンション選びで後悔しないよう、住める人数、間取りの選び方に快適に住むためのインテリアのコツを解説します。

3LDKのマンションに暮らして約20年。物件選びをした経験をもとに、理想の間取り選びと快適なインテリア作りのコツを紹介します。

70平米のマンションは何人が住める?

70平米のマンションには、2人から4人が住めると考えられます。

厚生労働省の「住生活基本計画における居住面積水準」によると、2~4人の家族が住むために必要な広さは、以下のとおりです。

2人暮らし:40~55平米
3人暮らし:40~75平米
4人暮らし:50~95平米


70平米マンションは3人暮らしに適した広さで、2人暮らしならゆったりと住め、4人暮らしなら多少狭く感じることはあっても、住める広さであることがわかります。

ただ、1室の広さは適当でも、各部屋の広さが狭ければ住みにくく感じられるでしょう。70平米のマンションを選ぶときには、1部屋の広さも気になるところです。

そこで以下のとおり、70平米のマンションの各間取りで、1部屋あたりの広さを計算してみました。

・2LDKの場合:1部屋あたりの広さは約7.5~9畳
・3LDKの場合:1部屋あたりの広さは約5~6畳
・4LDKの場合:1部屋あたりの広さは約3.8~4.5畳

 ※LDKとはリビング・ダイニング・キッチンが一体となった間取りです。
  LDKの前にある数字は個室数を表します。

  <参考>
  マンション1室の広さ:約43畳(70平米)
  居住スペースの広さ(リビングと各部屋の合計):約30畳(50平米)
  リビングダイニング部分の広さ:12~15畳(19.4~24.3平米)

70平米のマンションの2LDKと3LDKは、デスクやベッドを部屋内にレイアウトできそうな広さです。

対して4LDKは、各部屋の広さが4畳前後となり、窮屈に感じられるでしょう。

70平米のマンションに2~4人で住むときには、2LDKか3LDKを選ぶのが適しています。

家族に合う間取りの選び方

70平米のマンション選びでは2LDKと3LDKとの選択肢のほかに、リビングダイニングの形状にも配慮すると理想に近い物件を選ぶことができます。
  • 家族構成に合う間取りを選ぶ
  • リビングダイニングの形状で間取りを選ぶ
それぞれを詳しく見ていきましょう。

家族構成に合う間取りを選ぶ

70平米のマンションンの供給量は3LDKの間取りが多いものの、2LDKか3LDKのどちらを選ぶべきかは家族構成により決まります。

ここからは、若い夫婦のみの世帯でも将来的にお子さんが生まれれば、家族は3~4人となることを見越して、3~4人家族に適した70平米マンションの間取りの選び方を解説します。

以降で、3~4人家族が実際に2LDKと3LDKに住んだ場合の、部屋の割り当て方をシミュレーションしました。物件選びの参考にしてください。

2LDKに住む場合の部屋の割り当て方

2LDKは、ダイニングやリビングのほかに2つの部屋がある間取りです。子どもが1人の場合と2人の場合では部屋の割り当て方に違いがあります。

<子どもが1人の場合
子どもが一人の場合は、2つの個室のうちの1部屋を夫婦の寝室にし、もう1部屋を子ども部屋に割り当てます。子どもが中高生になっても勉強しやすい環境が作れ、プライバシーに配慮できます。

子どもが小さいうちは、親子3人が1つの部屋で就寝し、残りの部屋は書斎や収納に活用しても良いでしょう。子どもが独立した後でも、部屋を同様に活用できます。

<子どもが2人の場合
子どもが2人の場合、部屋が2つだけの2LDKは、手狭に感じられる場合があります。

子どもが小学校低学年までは、まだ親と一緒に就寝したい年頃です。家族みんなの寝室を1つ設ければ、もう1部屋は収納として使えます。両親の持ち物や子供のランドセルに教科書類を収納する部屋として活用してもいいでしょう。

子どもが小学校高学年~中学生なったら、両親の寝室と子ども部屋を設けるのがおすすめです。部屋の広さによっては、2段ベッドや収納を活用して、部屋を分割すると良いでしょう。

2人の子どもが異性の場合には、着替える際に相手の目が気になるため、同室は避けることをおすすめします。母親と娘、父親と息子とで寝室を分けてみてはいかがでしょうか。

ただ子どもが中学生にもなれば、自分の部屋を持ちたくなります。親との部屋の共用は、子どもの反発を引き起こしかねません。

そんな場合は部屋にパーテーションを置く、親は就寝時だけ寝室を使い、それ以外はリビングで過ごすなど対策を講じ、子どもが1人の時間を過ごしやすくします。

子どもが高校生になると、授業や部活で家にいる時間は減るものの、受験やテストに向けて夜遅くまで勉強する時間が増えてきます。

親子が1室で就寝するには無理があるため、子どもに個室を譲り、親はリビングで寝るのも1つの方法です。リビングのソファをソファベッドにすれば、熟睡しやすいでしょう。

2人の子どもの年齢差が大きいときは、上の子どもに個室を与え、下の子はダイニングで宿題や勉強し、両親と一緒に就寝する方法があります。

下の子どもが個室を必要とする頃には、上の子は独立しているため、4人家族でも両親と子どもで個室をそれぞれ使えます。

2LDKの間取りでは以上のような部屋割りが可能です。3人家族なら問題なく住めますが、4人家族の場合には手狭になり、多少の工夫が必要になるでしょう。

3LDKの部屋に住む場合の割り当て方

3LDKはリビングダイニングのほかに3部屋ある間取りです。子どもが小さいうちは両親と一緒に就寝するため、空いた部屋は書斎や収納に使えます。

<子どもが1人の場合
子どもが小さいときは、1部屋を家族の寝室にし、残りは書斎や収納にあてます。子どもが成長したら、両親の寝室と子供の寝室に、1部屋ずつ割り当てます。この場合でも1部屋が余り、ゆとりある暮らしができるでしょう。

<子どもが2人の場合
子どもが2人の場合は、それぞれに部屋を割り当てても、夫婦の寝室を確保できます。

ただ、70平米のマンションで3LDKを選択するときは、以下の点を踏まえておきましょう。
  • 部屋数が多い分、1部屋の広さは狭くなりがち
  • 部屋数が多い分、リビングが狭くなる
  • 十分な収納を確保しにくい
  • 洋服や書籍などを多く持てない
  • 子どもが独立した後は部屋が余る
子どもの人数により、部屋の使い方は違ってきます。上記のシミュレーションをもとに、どのパターンが自分の家族に合うか、参考にしてください。

リビングダイニングの形状で間取りを選ぶ

70平米マンションのリビングダイニング部分の形状は、大きく分けて2種類あります。それぞれ以下のように呼ばれています。

  • 縦長リビング
  • 横長リビング
それぞれのリビングでは特徴が違います。家族のライフスタイルから譲れない条件を明確にし、どちらかを選ぶことをおすすめします。

縦長リビング
縦長リビングは、部屋の奥からキッチン、ダイニング、リビングの順に窓に向かって縦一直線に並んでいる間取りです。リビング横には、独立した部屋があるのが特徴です。

<メリット>
  • リビングが窓に面しているため明るく風通しが良い
  • 壁が多く家具をレイアウトしやすい
  • ダイニングとリビングを分けやすい
<デメリット>
  • 部屋の奥のキッチンとダイニングは暗い
  • 窓面積が狭く開放感は控えめ
<向いている家族>
  • インテリアにこだわりたい
  • リビング内にワークスペースを設けたい
  • ポスターや絵画を飾って楽しみたい
縦長リビングは壁部分が多く家具を置きやすいため、インテリアを楽しみたい方におすすめです。

横長リビング
横長リビングはダイニングとリビングが横に並び、どちらも窓に面している間取りです。ダイニングとリビングの奥にはキッチンと部屋が位置しています。

<メリット>
  • キッチンが窓に近く明るい
  • 窓面積が広く開放感がある
  • 隣室の引き戸を開けると広く使える
<デメリット>
  • 壁が少なく家具を置きにくい
  • 奥の部屋が使いにくい
<向いている家族>
  • 奥さんが料理好き
  • 隣接する部屋を開放して子どものプレールームにしたい
横長リビングはキッチンが窓に近く、明るいためキッチンで過ごす時間が長い、奥さんが料理好きのご家庭におすすめです。

狭く見せないインテリア選びのコツ


マンシションは、狭く感じられがちです。マンションでゆったりと暮らすには、インテリア選びにコツがあります。インテリア選びで考慮したいのは、以下の2点です。
  • 部屋のサイズ感を把握する
  • ゆとりある部屋を演出する
家族みんなが心地良く暮らすために、適切なインテリアを選びましょう。

部屋のサイズ感を把握する

家具を部屋に置いたときに圧迫感がないよう、部屋のサイズを測りましょう。部屋の広さに合った家具が選べます。計測箇所は以下のとおりです。
  • 出っ張った柱の部分
  • 天井の梁の位置
  • 窓の位置
  • ドアの位置
  • コンセントの位置
  • 照明スイッチの位置
上記のほかに、部屋をスムーズに移動できる動線を考慮します。
  • 通り道には60cmのゆとりを設ける
  • イスの後ろは80cmの余裕を持たせる
  • テーブルとソファの間は1m空ける
インテリアショップは面積が広く、高い天井で開放的です。

インテリアショップでは、家具の大きさが部屋のサイズに合うと感じても、マンションに運ぶと大きい場合があります。

部屋のサイズに対して大きすぎる家具は、動線を邪魔し、部屋を狭くする原因になります。計測は十分にして、マンションに見合う家具のサイズを、購入前に把握しておきましょう。

ゆとりある部屋を演出する

マンションは、1戸建てよりもコンパクトな作りになっています。マンションの部屋をインテリア次第で広く見せるには、以下のコツを取り入れましょう。
  • 圧迫感が出ないよう低い家具を選ぶ
  • 床が見える面積を増やす
  • カーテンやラグは膨張色の白やアイボリーを選ぶ
  • 入口からの部屋に向かう視線の通り道は空ける
  • 兼用できる家具を活用する
  • 拡張機能のあるテーブルを使う
  • 壁や天井に向けてライトを照らし、奥行きを出す
  • 物が増えないようコンパクトな収納を選ぶ
  • 場所をとらないタイプのカーテンを選ぶ
また、家族のライフスタイルに合わせて、インテリアを取捨選択すると、居心地の良い空間を作れます。
  • ダイニングで過ごす時間が多い:大きいテーブルと疲れにくいイスを選ぶ
  • リビングで過ごす時間が多い:ダイニングはコンパクトにし、カウチソファを置く
  • 食事しながらくつろぐ:ダイニングテーブルにソファを組み合わせる
家族が寝ころんでくつろぐスタイルならば、ソファはなくても問題ありません。家族みんなが集まるスペースは、過ごし方を重視してインテリアをレイアウトするのがおすすめです。

70平米のマンションは3~4人家族にぴったり



70平米のマンションは2LDKと3LDKがおすすめです。3~4人の家族が住むのに適切な広さです。ただ、2LDKに4人家族で住む場合には、工夫が必要になるでしょう。

部屋の間取りは、縦長リビングと横長リビングに大きく分類できます。
  • 縦長リビング:インテリアが楽しめる
  • 横長リビング:明るい部屋で過ごせる
家族が重視するポイントによりどちらを選ぶか決めましょう。

70平米のマンションでも、インテリアの選び方でゆったりとくつろげる空間を作れます。

家族の生活スタイルをもとに、活用頻度の高い家具を優先して、レイアウトするのがおすすめです。



















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